2012年1月29日日曜日

井野の辻切り

 1月の中旬から下旬にかけて、市内で行われる民俗行事には、どんど焼きや成木(もちばな)などがありますが、一番有名なのは、井野の「辻切り」でしょうか。 
 毎年1月25日に、藁で作った大きな蛇を、地区の境の木の上に、這いのぼった蛇が下の道路を見下ろすような形に取り付ける行事で、無病息災と五穀豊穣への願いを込めて行われるものだそうです。
 藁を編んで作った頭には、つぶらな丸い目玉と赤い舌が付いています。目玉は、炒った五穀を和紙で包み、丸めて目玉を書き込んだもので、赤い舌は唐辛子の実だそうです。
  なお、五穀は、米、麦、粟、黍、大豆などだそうですが、最近は、粟や黍などを省略することもあるそうです。
  写真は、志津公民館の玄関脇の木に巻きついてた大蛇です。白黒写真では、チロッと出した赤い舌は分かりませんね。

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2012年1月22日日曜日

将門&宗吾

 佐倉には平将門の愛した「桔梗姫」の墓(伝承です。)はありますが、将門本人の墓はありません。その代りでもないですが、将門をお祀りした神社があります。
 桔梗姫の墓から北東方向に3~4分程道を歩いて行きますと、写真の「将門・口ノ宮神社」に着きます。
 古くからある神社だそうですが、焼失してしまい、現在のものは地元の方々が再建したものだそうです。
 さて、将門の祟りを恐れて、お祀りをするための神社を建てた気持ちは分かりますが、それでは「口ノ宮」とは何でしょうか?
 どうやら義民佐倉惣五郎(宗吾)の霊を合わせてお祀りしているようで、惣五郎の事を口にすべからずという意味だという話を聞きました。
  両者とも非業の死を迎えていますから、霊を鎮めるために合わせてお祀りされたのでしょう。 
 ちなみに写真の鳥居は、承応3(1654)年に当時の佐倉藩主堀田正信公が寄進したもので、昭和52(1977)年7月に市の文化財に指定されています。

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2012年1月15日日曜日

平氏といえば

 今年のNHK大河ドラマは平清盛ですが、平氏といえば、平将門も有名ですね。
  佐倉では、清盛と関係する話は聞きませんが、将門は町名になっているくらい深い関係があるようです。
  佐倉市の東北部にあたる将門町(まさかどまち)から隣接する酒々井町本佐倉(しすいまちもとさくら)までの高台は、将門山といわれ、かつて、将門が館を建てて、愛妾の桔梗姫と同居していたそうです。ところが桔梗姫は、敵将の藤原秀郷の命を受けて将門に仕えていたもので、桔梗姫と謀った秀郷は将門の首を討つことができたという話です。そして、桔梗姫に裏切られた将門は怨霊となり、桔梗姫の墓のあるこの地には桔梗の花が咲かなくなったという伝説があります
 写真は、昭和56(1981)年3月に桔梗姫の墓といわれる塚に建てられた石碑です。「花もなくしげれる草の桔梗こそ いつの時世に花の咲くらむ」と刻まれています。
  この石碑は、佐倉東小学校裏手の畑地の中に、ひっそりと建っています。

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2012年1月8日日曜日

JR佐倉駅の彫刻「翔」


 JR佐倉駅周辺には多くの彫刻が設置されています。南口には3体、北口には駅から直線道路沿いに12体の彫刻が並んでおり、通称「彫刻通り」と呼ばれています。
  この彫刻群の中で一番最初に設置されたのは、写真の「翔」というブロンズ像で、制作者は朝倉響子さんだそうです。
 ブロンズ像の設置は、国鉄佐倉駅前広場の整備に合わせて計画されたもので、青年会議所などの市民グループが積極的に協力されたということです。
 私がこの像に関して記憶していることは、もともとは北口駅前広場正面辺りのバスターミナル手前に設置されていたものが、駅前広場の再整備の際に、現在の階段上に引っ越したことと、この「翔」という名称が市民公募で選ばれ、その名付け親の方が、すごい美人であったことです。
 ちなみに、「翔」の名称が発表されたのは昭和56(1981)年の1月1日、駅前広場での除幕式は同年の4月9日のことでした。

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2012年1月1日日曜日

鷲神社の龍

 佐倉市の北端に「先崎」という所があります。この地名を「まっさき」と読むことを私に教えてくれたのは、高校の同級生でした。でも、「鷲(わし)神社」という立派な神社があることまでは教えてくれませんでした。
  その鷲神社ですが、本殿も鳥居も境内のケヤキも佐倉市指定文化財になっています。 特に、本殿の壁面を飾る彫刻と2本の柱に施された龍の彫刻には目を見張るものがあります。これらは、群馬県勢多の星野理三郎政一氏によるものだそうで、一度火災で焼失した神社を天保15(1844)年に再建したそうですから、168年程前の作になるわけです。
 写真では分かり難いでしょうが、右側の柱には登り龍、左側の柱には下り龍が絡みついています。水しぶきをあげて、今にも動き出しそうな勢いです。今年は、この龍のように天に昇るような勢いのある、良い年になりますように、心から願っている次第です。

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